もう20年くらい前、地元のテレビ局が平日の午前中に『奥様映画館』とかなんとかいうタイトルで、昔の日本映画を放映していた。
高校生のころは、どうしても観たい映画のときには、ちょこっと遅刻して、観てから学校へ行った。
家でブラブラしていたときには、毎日のように観た。
なかでも日活アクションものは、かなりの数を観たと思う。
当時のなかでは、私は川地民夫がカッコいいと思った。
あと、津川雅彦の美しいこと!
放映されていたのは、わりとB級といわれるような映画のほうが多かったが、それはそれで面白かった。
特に小林旭の渡り鳥シリーズや加山雄三の若大将シリーズはとっても楽しかった。
どちらも脇役がバカバカしいくらいステキで楽しいのだ。
そういう作品の合間に時々、佳作といわれるような作品も放映されていて、特に印象深かったのが『おとうと』という作品だ。
岸恵子と川口浩の姉弟の話なのだが、なんて美しい映画なんだ、と思ったことを今でも覚えている。
この映画がきっかけで、自分からもいろいろ昔の日本映画を観るようになった。
川本三郎さんの『君美わしく―戦後日本映画女優賛』は、戦後活躍した女優たちのインタビューをまとめた1冊で、奥様映画館を観ていた私にとっては、宝物のような本だ。
それぞれの女優たちの当時の美しさにはびっくりするくらいだ。
それと、みなさん、ある意味 “男らしい” と思った。
私は読んでいる途中で、何度か涙が出てきた。
そして、奥様映画館でいろいろ観ていてよかったなぁと、そのあとも観続けていてよかったなぁと。
とっても、しっかりとした構成で作られた本で、インタビューの本としても、映画の本としても、上質の1冊だと思う。
私は昔のでも今のでも、日本映画が好きだ。
もちろん、つまらない映画もたくさんある。
時々、観る前に「でも、それって日本映画でしょ?」と言われることがある。
そんな人に、例えば「ここ10年くらいに何本の日本映画を見たの?」と聞くと、大概、ほとんど観ていないと言うのだ。
観て、「つまらない」というのはかまわないと思う。
観ていない人がいうのはどういうことなのだろう。
(そういう意味では、リリー・フランキーは真っ当だと思う)
大好きな寺田寅彦の言葉のなかに、
「物事に対して『ツマラナイ』と言うのは『自分はその物事の中にツマルある物を発見する能力を持たない』と自白するに過ぎない」
と、いうのがある。
いろんなモノから、『ツマルある』モノを見つけたいなぁと思う。