ザ・デッド

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Photo_232 『ザ・デッド 「ダブリン市民より」』

静かにクリスマスを過ごしたい、と思っているひともいると思う。
今はクリスマスプレゼントも「自分のためのご褒美に」と買うひとも多いと聞いた。特に女性は。
って、ことは案外プレゼントを期待しているのって男性が多いってことなんだろうか。
それはさておき、クリスマスが近くなると思い出す映画がいくつかある。
前かいた『SMOKE』もだが、ジョン・ヒューストン監督の遺作になる 『ザ・デッド』は何度もみてしまう大好きな映画だ。

ジェームス・ジョイスの『タブリン市民』のひとつを映画化したもので、原作を読んだことのあるひとが云うには、「オープニングから期待を裏切らないつくりで感激した」らしい。
アイルランドのダブリンで、おばあちゃま姉妹が毎年開くこじんまりとした温かいクリスマスパーティの夜の話で、そこを訪れるガブリエルとグレタ夫婦が軸になっている。
グレタ役のアンジェリカ・ヒューストンはもちろん監督の娘で、この役はこのひとしか出来ないんじゃないだろうか、とさえ思った。
特に階段の途中の聖母のような姿は忘れられないシーンだ。

パーティが終わり、ホテルの部屋へ戻ったあと、グレタは若き日の恋の思い出をガブリエルに告白する。
そして泣きつかれたように眠るグレタの横で、複雑な気持ちであろうガブリエルの独白。
夜の静寂と降り積もる雪が街を覆い尽くしていくように、静謐で崇高なかんじさえするガブリエルの独白が見ているこちら側にも深深と降り積もっていく。

この映画のテーマでもあるかと思う「生と死」。
ジョン・ヒューストンは車椅子に酸素ボンベという状態でこの映画を撮ったそうだ。
自身が生と死を身も心も受け止めようとするかのようなかんじさえ受ける。
最後にこんな映画を作ることが出来たヒューストン監督も、そしてそれを観ることができた私たちも幸せだと思った。

10年、20年前の私はこの映画を観ても今の半分も良さがわからなかったかもしれない。
いつも、ガキだガキだなぁと自分自身思っているのだが、こういう映画が降り積もる雪のように深深と心に沁みいてくるようになったんだなぁとちょっぴり嬉しくもなった。

たまには、聖なる夜には聖なる映画をぜひ!

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