アートをめぐる冒険 ~広島 ③
旅の最終日は、叔母のマンションから歩いて10分くらいのところにある比治山というところに建っている美術館へ行くのだ。
比治山の下まではすぐなのだが、まともに歩いて(登って)美術館へ行くとなるとちょっとしたハイキングだ。
以前、一度だけチャレンジしたことがあるが、汗ばむ季節ではないのに汗かいて、
息もゼェゼェとなり、次の日に足が筋肉痛になった覚えが‥(^_^;)
でも今は、スカイウォークができたので、ラクチンなのだ~。
スカイウォークとは、山の沿って作られたエスカレーターである。
建物のなかではなく、あくまでも山に沿った外にあるエスカレータで、しかも、長~~~いので、
はっきりいって高所恐怖症のひとは利用できないと思う。
叔母が前に乗っている
段々と遠くに‥
あんなに高いところに~!
長~~いエスカレーターをの昇り終えると、山の緑が目に入ってくる。
小さい橋を渡ると
緑の向こうに美術館の囲いが見えてくる
壁にそって歩いていく
テクテク ...
左側は山の斜面
テクテク ...
建物がみえてきた
右側はスロープ
建物は、上にいくほどに人工的なものを、下にいくほどに自然なものを使っている。
これだワン
気がつくと私は、絵画としての森村、女優としての森村、フリーダカーロとしての森村、と
いろんな森村を観ているのだが、今回の森村が一番しっくりきたかも。
男性が男性になっているから、というだけではなく、
(私がこんなことを云うのもひじょうにおこがましいのだが)
随分とそぎ落とされて洗練されているようなかんじがしたのだ。
観る前から気になっていたのが、昭和天皇とマッカーサーの作品。
ここ広島でいったいどこにどのように展示されているのだろうかと思っていたのだが、
「なるほど~」と思ったと同時に、他の会場ではどうのように展示されていたか気になった。
毛沢東は、「あぁ、そうかぁ」な展示だった。
それと、写真や映像の三島由紀夫はどうして少しクスッとなってしまうのだろう。
元の写真の三島はかなり真剣なのだと思うのだが、それでさえ笑ってしまうので、
それを森村が三島としての私になると、ふざけているわけではないと思うのだが、
他の作品に比べて茶化しのようにも感じられるのだ。
何かに三島由紀夫のことを「上半身だけ鍛えたひと」と書いてあって、それを読んだときに
「うんうん」と思ったのだが、その「上半身だけ鍛えたひと」なかんじがよく出ていて面白かった。
私は森村泰昌が大好きというわけではないが、とっても気になることは確かで、
結局いろんな展覧会を観にいっているのだ。
きっと、これからも見続けていくのだろう。
余談だが、日曜日だというのにお客さんが少ないのが気になったが、
ここ(広島市現代美術館)は、たいがい、私が見る展覧会はなぜか空いていて、
平日など貸切状態でゆっくり見られるのだ。
しかも、東京まで行かないと見られなかったあきらめかけていた展覧会を開催してくれるので、
今まで、ホックニー展、コルビュジュ展などなど、たくさんの展覧会を見ることができた。
広島市内には前日行った、広島県立美術館 、ひろしま美術館と、充実した展示のある美術館があるのだが、ここ現代美術館は特に『ヒロシマ』であることを強く感じる美術館だ。
『ヒロシマ』をテーマにした現代美術のコレクションが多くある。
現代美術というのは、小難しかったり、わけがわからなかったり、「落書きか?」と思えたり、
なじみにくい反面、ドキっとしたり、胸にグサっと何かが突き刺さったりすることもある。
考えてみると、ルネッサンスも浮世絵も印象派も当時は現代美術だったのだ。
広島市現代美術館は確か、日本で初めての公立の現代美術館だったと思う。
ヒロシマの街から!という誇りのようなものが感じられる美術館にみなさんもぜひ。
ミュージアムショップで図録やカードを買ったのだが、こけしちゃんグッズを見つけていまい、
ついつい購入~。ラブこけしグッズ。
外にはいろんな彫刻作品が展示してある。
帰るときには、建物に沿うように歩いてしまう。
テクテク
叔母がいるおかげで何度も広島には遊びに行っている。
広島を拠点に中国四国地方へと楽しい旅もした。
来るたびに美味しいものを食べて、穏やかな街でやさしい人たちのお世話になった。
街も住んでいるひとも、越えるものが高ければ高いほど、うつくしく生まれかわれるんだなぁと思う。
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