海を見ていた午後。
11月中旬、名古屋の叔母(母の妹)がやってきた。
今年で70歳になる叔母の、それを記念した同窓会が指宿であるのだ。
少し余裕のある日程だったので、叔母と母と私の3人でフェリーに乗って桜島の温泉へ行き一泊した。
桜島は、運転できない私んちからは車なしで行くことができる近場の温泉なのだ。
母はオババ仲間と年に1~2回は行っているのだが、私は10年以上行っていない。
叔母はもちろんそれ以上。
いつも目の前にあるだけに、なかなか行く機会がないと行かないものだ。
お昼ごはんを食べたあと、ドルフィンポートで篤姫館を見学し、そしてフェリーに乗った。
朝からの曇り空で少し風が強かった。
デッキに出ると強風で髪の毛が山姥状態になった。
あの鐘を~鳴らすのはあなたぁ~
桜島に着いたら、迎えの車が来ていた。
歩いてもすぐそこにある国民宿舎『レインボー桜島』に宿泊したのだが、母が少し前に自宅で転び腰を痛めていたので、お願いしたのだった。
母たちはお部屋でお昼寝タイムになった。
私は最近できたという日本一長い足湯というのを見てみようかなぁ~と散歩にでかけた。
風が強かったせいもあると思うのだが、少しぬるめだったので、お湯の噴出し口に近いところに浸かるといいかも、と思った。
着いたときにはドンヨリとした雲り空だったのだが、風に流されて雲が動くので空が次々と変わっていき、それがなんだか楽しくって海と空を眺めながらテクテクと歩いてみた。
街中に住んでいると、空をビルや電線で区切られていない、まあるい状態でみることが稀なので、顔はずっと少し上向きでニコニコ(*^_^*)
あとで知ったのだが、この日の夕空は鹿児島市街では赤く不思議なかんじだったそうだ。
私はそれをたまたま桜島側から見ていたのだ。
ススキの向こうに市街地が見える
段々と赤く染まっていた
夕焼けを見ながら足湯
そして、市街地から見ると桜島は東側なので朝日が昇る方なのだが、この日はなんと桜島の空が赤くなったというニュースをやはりあとで知り、「あー!あれだっ!!」とピンときた。
少しづつ暗くなっていく市街地に比べて桜島は明るいなぁと感じながらフト空を見上げたとき、まるで龍が昇るような雲が!
ホンの少しの間の出来事だったのだが、空の半球をオレンジ色の光がギュ~ンとまたいでいた。
なんだか得しちゃったなぁ~と散歩道を帰っていると、日が沈む瞬間をみた。
遊歩道は3キロくらいあるようだったが、私は2キロくらいで戻ってきた。
気づくと、空や海や溶岩を見ながらテクテクと1時間半くらい歩いていた。
歩きはじめる前は少し肌寒かったのだが、日が沈むころには体はポカポカしていた。
それ以上にココロのなかはポッカポカになっていたように思える。
近すぎて遠い、ということがある。
あるのが当たり前すぎて、いつでも行くことが出来ると思っている。
きっと、そんな場所はいくらでもあるのだろう。
明日は晴れるといいなぁ~。
すっかりお腹が減った私はそう思いながらレインボーへ戻った。
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