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2009年6月18日 (木曜日)

歩くこと。歩けること。  5月の旅 ③

  3

次の朝、叔母の家を出て名古屋駅まで行き、新幹線に乗り換えて京都へと向かった。
名古屋から京都はアッという間で、ウトウトするひまもなく着いた。
京都駅から在来線に乗り換えて、山崎へと向かった。

Photo

小さい駅の周りはこんなカンジ。

Photo_2 プチホテル
2 利休の茶室(国宝)があるという妙喜庵
3_2 入館は予約制らしい
Photo_3 ここで少し待つのだ

今回の旅行の一番のお目当てといっても過言ではない、『大山崎山荘美術館』へは歩いても行けそうなのだが、途中までの送迎バスがあったので、これに乗ることにした。
10時からの開館にあわせて待っている客は私を含めて10人弱。
送迎バスに乗って、美術館がある天王山の急な坂道を登ること3分。
バスが入れるのはここまでで、あとはテクテク歩いて行くのだ。

1 バスを降りるとすぐに小さなトンネルが
2_2 坂道をてくてく
3_3 緑のカーテンのなかを歩く

さわやかな新緑のなかを歩きながら、時々立ち止まり深呼吸をしてみる。
耳を澄ますと木々のサワサワ~という音と前を歩く人たちの話し声が遠くで聞こえるだけ。

2_3 途中、レストハウスがある
Photo_5 右側にはバラがたくさん植えてあった

私は途中で何度も立ち止まってボンヤリしていたので、一緒のバスに乗っていた人たちにはとっくに置いていかれ、下から歩いてきた人たちにも追い抜かれていたのだが、なんだかさっさと歩いて行くのがもったい気分だったのだ。

4 あともう少しかな
3_4  門が見えてきた
2_4 遠くに建物が見える
   
 Photo_7 門柱の外灯

胸がわくわくしてくるのが自分でもわかった。
私のすぐ後ろから来たお兄さんが、「あぁ」と呟いたのが聞こえて少しうれしくなった。

Photo_9 ドキドキ
     2_6
             大山崎山荘美術館

私は、一度は行ってみたいあこがれの美術館というのがいくつかあり、少しづつだが機会があったら出かけている。
この、大山崎山荘美術館もそのひとつで、2年前に京都へ行ったときには時間がとれずに行かれなかったので、今回の京都はどうしても行きたかったのだ。

       * 大山崎山荘美術館のHPはこちら →

Photo_10 入口

中に入ると、時を重ねたあめ色の内装が眼に入ってくる。
入ってすぐある暖炉の小さいスペースや当時としてはめずらしい二重窓、サンルーム、それぞれの部屋の照明などなど、ただただウットリするばかり。
特に、こういった洋館は階段まわりが本当にステキで、昇降するたびに手すりをなでるように触りながら、「当時のひともこんなふうにこの手すりをさわっていたんだなぁ」と思い、うれしくなる。
中は撮影禁止なのでお見せできないのだが、気になったかたは機会があったらぜひ出かけて、ご自身の眼でそして手で確かめて欲しい。

Photo_13 1階のテラスより
Photo_14 テラスから見た温室
2_9 睡蓮のある小さな池

本館では、ちょうど 『濱田庄司の眼』 という企画展が開催されていて、濱田庄司がコレクションしたものと濱田庄司の作品を観ることができた。
本館につながって、安藤忠雄が作った新館があるのだが、地下へもぐるように建っていて、さらに屋上は植物が植えてあるので、外からは本館をじゃますることなく存在している。

          Photo_15 新館へ
2_10 Photo_16
       3_5

この円状の下が展示室になっていて、モネの睡蓮の数点展示してある。
まるで、自分が睡蓮の池にもぐっていったような、そんなかんじなのだ。

本館、新館の展示を観たあとは、本館の2階にあるカフェで休憩。
室内の席もあるのだが、テラス席もあるのでもちろんテラスへ。

Photo_17 涼しい空気のなかで
       Photo_18 オリジナルのワインケーキ
Photo_20 テラスからの屋根
Photo_21 テラスからみた外壁

        
Photo_19 早く食べたいワン

ここでも、売店で買った絵はがきで友人たちに旅のたよりを書いた。
流れてくる風がとても気持ちよく、こんなに落ち着いた気分になったのは久しぶりだった。

約1ヵ月前には腰椎ヘルニアからくる坐骨神経痛が悪化して激痛が続き、手術入院も覚悟していた。
そうなると、仕事も辞めなくてはならないし、当分は歩くことも出来ないだろう、と思い、あまりの痛みと不安で涙がとまらない夜を幾晩も過ごした。
母は私があまりにも痛がるので何度も「救急車を呼ぼうか」と云った。
痛いと声に出さずにはいられない状態が続いたので声も嗄れてしまった。
そんな日が4~5日続き、少しづつ薬が効き始め、痛みも治まってきた。
それでも、きっと手術しないといけないんだろうな、と思って、いったんブログも休むつもりで整理し、少しでも動けるうちに、と入院の準備も少ししていた。
が、しかし、連休明けに母が通っている整形外科の先生に相談したところ、今の状態(薬や注射で痛みが数日で治まる状態)だったらすぐに手術する必要はない、と云われ、旅行も大丈夫ですよ、と云われて、これからいろいろと気をつけることなど指導してもらった。
なんだか気が抜けたようなかんじになった。
バッグにはキャンセルするつもりでいたので、飛行機のチケットが入っていた。
今回は4月に母が、「今、すごく体調がいいから今のうちにどうしても名古屋に行きたい」と云い、計画してチケットも取った矢先に私のヘルニアが悪化してしまい、キャンセルになりそうで申し訳なく、さらに落ち込んでいただけにホッとした。

Photo_22

この美術館は自分で歩いていかないと行かれないところにある。
だからこそ、京都へ行くのだったらぜひここに来たかったのだ。

五月の風のなか、美しい新緑の森を見ながらハガキに書いているうちに、「ここまで歩いてこられたんだ‥」と胸があつくなった。
友人たちには本当に心配をかけたので、感謝の気持ちも少しだけ添えて書いた。

Photo_24 ボクもいっしょだワン
    

建物の外のお庭も広く、天王山じたいもいいハイキングコースなので、お弁当を持ってきて食べると気持ちよさそう。
そういえば、一緒に山崎駅を降りた人たちはリュックを背負った人たちが多かった。

Photo_25 お庭には彫刻も点在している
Photo_26 頭なでてもらったワン

帰りは、ちょうどいい時間に送迎バスがないので駅まで歩いていくことにした。
ゆっくりと歩いていても、けっこう急な坂道が多いので、足早になってしまう。

Photo_27
坂道は登りよりも
2_12 下りのほうが足腰にくる

足の裏の土踏まずの上の部分に全体重がかかりマメができる予感と、ふくらはぎにビンビンきている予感は的中し、その日の夜からしっかりとマメと筋肉痛でアイタタ~状態になった。
しかし、時間がかからずに筋肉痛になったってことは、まだまだ若いってこと?!っていうことではなく、「あぁ、自分の足で歩いたから痛くなったんだなぁ」とちょっぴりうれしい気分でもあった。

Photo_28

ちなみに山崎は、羽柴秀吉と明智光秀の『山崎の合戦』のあったところ。
いわゆる「ここが天王山」ね。
他にも、宝積寺や観音寺などがあり、サントリーの山崎蒸留所もある。
次はぜひ、サントリーの蒸留所へ行って、モルトウィスキーを巡るツアーに参加したい。
観光案内にもハイキングの最後にサントリーの蒸留所には行くようにと書いてあった。
そりゃあ、そうだろう、と思った。
酔っ払ってハイキングは危険だもの~。

Photo_30 踏み切りを渡って

JRではなく、阪急の大山崎駅へと歩いていった。
阪急に乗って四条まで行き、親友と待ち合わせなのだ。

Photo_31 やっと上洛するよ~。

コメント

菊ちゃん、こんにちは~。全然知らなかったのですが、素敵ところがあるんですね。
酒は飲めませんが、ワインケーキにはかなりひかれます(結局、また食べ物)。
あと、「この秀吉が許さぬ」の「この」がかなりツボです。
痛みが保存療法で治まるといいですね、まったくの微力ながらお祈りします。

写真をずっと眺めていたら菊ちゃんと一緒にお散歩している気分になったよー。
ゆっくり、てくてくと。
新緑が清々しいですね。
僕が京都旅行へ行ってた時 サントリー山崎の蒸留所にも行くつもりだったんだけど
その頃って新型インフルエンザが猛威をふるっていた時で入場禁止になってました。
う~ん、残念。
ところで 菊ちゃん、腰の調子が良くなって良かった。
こんなに長距離を自力で歩けるようになってホントに良かった。 ( ̄∇ ̄d)

こんばんは キルトショップアラマです。
昨日は有り難うございました。
大変もうしわけありません。
カブトムシの布入れ忘れてしまいました。
お代金は 頂いてます
お電話すぐしましたが 繋がらず
ブログ覗いて びっくり 遠方にいっちゃつてて・・・・パワフル!
布送りますので 申し訳ありませんが
そのときは ご連絡おねがいします。
申し訳ありませんでした。
オールドノリタケ私も昔みまして
トリコになり 復刻をサザビーがだしたりして 集めたりしてます。イイッスよね 余談でした~

菊ちゃん、ついこの間のことだったけれど、あの時は本当に心配したというか、ひどく痛がっていると聞いていたからね、可哀想でね。
それよりも菊ちゃんから、「体調がこのままだったら、もう今まで通りにはお付き合いできません。ごめんなさい。」と言われた約2名の落ち込んだ姿のほうが心配でね。
痛みのほうは今は安定しているみたいだけど、無理はせずに過ごすんだよ。
それで、大山崎山荘美術館だけどね、新館がオープンしてしばらくして経ってからだったかな、カズと行ったんだよね。
他の洋館と比べると「木」の存在を意識した覚えがあるな。
坂は行き帰りとも歩いたよ。
筋肉痛はどうだったかな。
今よりは若かったらから感じなかったのかもね。
次は京都のどこへ行くのかな。
楽しみにしているよ。

菊ちゃん、お久しぶりです。
腰痛はほんとに大変だったんですね。具合が悪くなると気持ちまで落ち込むし、心配だし。手術しなくてほんとに良かった~。
こんなにパワフルな旅行ができるまで回復できたんですね。その姿勢は見習わないと。元気、もらいました。
大山崎山荘美術館、しっとりした雰囲気が伝わってきます。京都ならここから日帰りできるのにと思いましたよ。

bud ハラCさん
こんにちわ~ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
ずっと行ってみたかったところだったので、うれしさもひとしおでした。
京都駅から乗り換えて15分くらいでした。
ワインケーキは白ワインが沁みていました。
他にもパウンドケーキが数種類ありましたよん。
ビールのケーキは勇気がなくて(?)食べなかったで~す。
サントリーのほうへも行ってみたかったのですが、ちょうど新型インフルエンザで
一番騒いでいた時期で、見学ができなかったのです。
以前にも増して、腰は気をつけるようになりました。
少し痩せなきゃなんですが、それはすぐには思ったとおりにはいかないようですf(^ー^;

bud なしごれんさん
一番新緑の美しい時季で気持ちよかったです。
坂道の下りは途中で「あ、足にくるなぁ~」と思いました。
案の定、二晩湿布のお世話になりました。
私もサントリーに行ってみたかったのですが、残念だったです。
これだけがインフルの悪い影響で、あとは混雑が少なかったので、
それほど悪影響はなかったですよね。
それと、腰痛悪化の際には、いろいろと親身になって相談にのっていただき
本当にありがとうございました。
手術はせずにすみましたが、お話しをお聞きして、だいぶ精神的に楽になりました。
これからも大事にして生活していきたいと思います。

bud アラマ・とまりさん
こちらこそ、帰って中身を見ずに仕舞ってしまい、気づいてもいなかったのです。
かぶとむしちゃんは手持ちの同色の布とけっこう合いそうです。
シンプルなのであわせやすいかもしれないですね。
オールドノリタケも好きなのですが、戦後の頒布会などで作られていた、
昔、小さい頃に家にもあったような器がとっても好きで、
今でもアンティークショップなどでは手に入るみたいなので、
気に入ったものが見つかったら欲しいなぁと思っています。

菊ちゃん、お久しぶりっす。
旅行の話、楽しみに見ています。
家具屋さん先輩も言ってますが、あの時は上司2人にはどう接したらいいのか悩みました。
妙に優しい上司と昔に戻ってしまった先輩が菊ちゃんかららしいメールのあと、すっかり普段とおりになったときには、菊ちゃんの状態と供にホッとしました。
旅行に行くそうだと聞いたときにも、大丈夫なのだろうか、と思いましたが、楽しい旅行が出来たみたいで僕も安心しました。
大山崎山荘美術館は、出張の時に行きました。
仕事が終わったあとで帰るだけだったので、テラスではもちろんビールを飲みました。
美味かったっすbeer
僕も往復歩きましたが、スーツだったので革靴で、登りはよかったのですが、降りは靴を脱いで裸足になろうか、とさえ思いましたfoot
筋肉痛にはならなかったですけどね。
このあと、京都のどこへ行くのか楽しみにしています。
腰は、あまり無理しないでくださいね。

bud 家具屋さん
こんばんわ~ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
あのときは、ご心配をおかけしました。
メールが見られるようになってから、さーさんからのメールを読んで、
涙したことを昨日のことのように思い出します。
ありがとうございましたconfidentheart04
約2名のことは、体調も悪くて仕事も辞めたら、心身ともに付き合う余裕なんてない、
と思っちゃったのです~coldsweats01
周りの方々は大変だったみたいで申し訳なかったです~。
大山崎山荘は、安藤忠雄の新館が溶け込んでいたのが不思議でした。
他の建築で「the ANDO」になってしまっているのをいくつか見たので、
ちょっぴりホッとしました。
木を贅沢に使っていて気持ちいい建物でしたね。

bud きょんさん
こんばんわ~ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
ムシムシしている日曜日です。
痛みがキツイときには、かなりドドーンと落ち込みましたが、
今すぐ手術しなくてもいい、と云われたとたん、モヤがなくなったような気分になり、
自分でもげんきんなものだなぁと思いましたf(^ー^;
今でも、いつまた強い痛みが来るのだろうか、と不安はありますが、
だいぶ前向きになりました。
大山崎山荘美術館はオススメです。
濱田庄司や河井寛治郎などのコレクションもあります。
そうか、日帰りできるんですねぇ。いいなぁ~。

bud コースケくん
久しぶりぶりっ♪( ̄▽ ̄)ノ″
心配させたうえに、なんだか迷惑かけちゃってゴメンねぇ~。
あとでお見舞いもいただきました。
ありがとうね(*_ _)ペコリ
妙に優しくなったのかぁ~。ふふふ~。
もとちゃんが昔に戻ったっていうのは、
口数が減って取っつき難くいってことかなぁ。へへっcatface
私もテラスでビールを飲んでいるオジサンたちが嬉しそうだなぁと思ってたの。
お弁当を持ってきているハイキングのグループのオジサンオバサンたちは、
お庭で食べていて、それも楽しそうだったよん。
続きもお楽しみに~。

いつもモバイルでのmixi参加ですが、モバイルだとこちらにたどりつかないから、今頃書き込みですが、山荘美術館 いいすね。
しかし、いろいろと良く知っていますね!
驚くワン。

菊ちゃん、雨降ってるか?
先ほど出張から戻って来たんだけどさ、ちょっと見ない間に旅行は進んでいるし、口数が少なくて取っ付き難いと言われちゃってるしさ、なーんだよー。
あの時はどれだけ心配したことか。
メールもしばらくお休み、と言うからさ、一体、容態はどうなっているのかさえわかんないし、今までのブログを見て落ち着こうと思っていたら見られなくなっちゃってるし、何度、そっちへ飛んで行って直に確認しようかと思ったことか。
それも良くなったからいーんだけどね。
そんだけ不安で仕方がなかったのだろうしね。
それを考えると、嘘のような旅行記なんだよなー。
なにかしらご褒美みたいなものが降って来たのかもね。
いーこと言うなー、俺。
もちろん、大山崎山荘には行ったよ。
俺もビール飲んだ。
テラスでさ、知らない女性のグループと一緒に写真を撮った覚えがある。
確かに革靴で降りは堪えた。
あー、コースケが晩飯買って来た。
もう一仕事するか。
それと、体調がきつい時には休めよー。
またね。

bud nonさん
こんばんわ^ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
いつも、ただでさえ写真が多いのに今回の旅のはさらに写真が多いので、
見づらいかもしれないですね。
すんませ~んf(^ー^;
それに、偏って好きなことしか知らないんです。
nonさんのお好きな車のことなどは全くわからないのですから~。
大山崎山荘美術館はきっとnonさんはお好きなのでは、と思うんです。
機会がありましたらぜひ(〃⌒ー⌒)/

bud もとちゃん
お帰り~♪( ̄▽ ̄)ノ″
今度の出張は少し長めだったのねん。
腰椎ヘルニアのことは本当はここで書かなくてもいいことなのでは、と思ってはいたんだけど、
こうやって当たり前のように自分で歩いて旅ができたことが、
どんだけしあわせなことかと感じたことは書かずにはいられなかったのね。
そして、いろんな人に励まされたこともね。
もとちゃんにはココロから感謝しているの。
ありがとネ。
ところで、その一緒に撮った写真はどうなったのぉぉ~。
私も以前、知らない少しカッコいい男の人とカエルを一緒に写真撮ったことがあるよ~。
なんであんなことしたのか今となっては自分でも不思議なのよねん。
旅の恥はかき捨てとは、このことかちら~。
へへっ(^◇^)

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