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2006年10月22日 (日曜日)

涙という字はいらない。

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『ひとがた流し』 北村 薫 著(1600円/朝日新聞社) 

趣味に「読書」と書くには書くが、たくさん読んでいるかというとそうでもない。
あえて云うなら「読むのが好き」といったほうがいいかもしれない。
小説も好きだが、コラムを集めた本も好きだ。エッセイじゃあないの。

北村薫さんは割と読んでいる作家で、特に「私と円紫さん」シリーズは大好きで、中でも 『六の宮の姫君』はお気に入りの一冊だ。
最近では、『ひとがた流し』 を読んだ。
40代になる女性3人を淡々と描いている。本当に静かに。
社会での立場と仕事の充実感、それゆえの苦しみ。
女性もある程度の年齢になると、人それぞれに抱える荷物が増え、そして、その荷物をだんだんと整理しようかと思うようになる。
生きている以上、誰にでも訪れることがある。
人はひとりで生きていかなくてはならないのだが、ひとりぼっちでは生きていけない。
友人知人というものは数ではない。
自分が知っているひとが、自分を知っているひとが何人いようと、お互いにこころのなかで支えあえるひとがいなければ寂しいものだ。

これを読んでいるときに、自分の中の“こころの一冊”ともいえる本を思い出した。(その本についてはまた今度‥)
時代は変わっても女性が抱える喜怒哀楽はなんら変わりがない。
変わりようがないのだ。
そして、もう一冊、『永い眠りにつく前に』という本も思い出した。
私はけっして、いわゆるフェミニストではない。
正直いうと、それを大声で発している女性たちが少々苦手だ。
この『ひとがた流し』には、「涙」も「愛」も「友情」も出てこない。言葉としては。
なのに、読みながら、そして読んだあと、涙がポロポロ溢れてくるのは私が女だからだと思う。

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読書でもなんでも、『数』でははかることができないものがある。
いい本に出逢うといつも感じることがある。
あぁ、私は 『読むよろこび』 を知ってしまったんだなぁ、と。

前も云ったことがあるのだが、昔、会社を辞めるときに、いろんな人たちがメッセージを書いたアルバムのようなものを貰った。
その中の1ページに、ある上司からのメッセージがあり最後に 「Many Books!」と書いてあった。
そのときには、さして気にもせずこころの隅っこにあった「Many Books!」が、いい本に出逢うたんびにズシンとこころの奥から響くようになった。
そして、「そうかぁ、そういうことだったんだぁ」とちょっぴり胸がホックリするのだった。

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コメント

いい話です…、菊ちゃん。
それこそ、今、荷物を整理中よ(笑)。
抱えきれなくなっちゃいました。
20年後を見据えてます!

円紫さんシリーズは好きで、読んでました。あとなんでしたっけお嬢さんものも。最初、北村さんは覆面作家で、性別も不詳だったんですよね。
最近は読んでなかったので、読んでみようかと思います。

*clusterさん*
心の荷物もですが、目に見えるいわゆる荷物があまりに多すぎて、どうにかしないと、と思うのだけど、ままなりまへん。
まずは目にみえるものから、と‥。トホホ‥(-_-;)

*ハラCさん*
「ちょっと甘いんじゃないの?」と思えるところも確かにあるのですが、そんなことは結局どうでもいいんだなぁ、と段段思えてくるから不思議です~。
男性なのに女性の心のヒダのようなものがどうして描けるのか、と毎回思うのです。
元々、高校の国語の先生だったのかなぁ?古文だっけ?
習いたかったなぁ~。

北村薫さん、気になりつつも未読でした。
円紫さんシリーズから読んでみようと思います。
「男性なのに、女性の心の襞のようなものが
描かれている」
にグッときました。
最近、本を読みたい病にかかっていて
手元にあるものをかたっぱしから読んでいました。
次の目標ができて嬉しいです^^
ありがとうございます!

sunnyちゃん、こんちわ~!
北村薫さんのは創元推理文庫で読めると思います。
『スキップ』とかは違う文庫本だったかも。
「やさしいまなざし」が感じられる作家だと思うのですが‥。
sunnyちゃんのオススメも教えてね♪

最近は食い気の秋なので(笑)、食に関するものを何冊か読んでました。
石井好子さんの『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』とか
池波正太郎さんの『食卓の情景』
そしてお決まりのムラカミ本です。。。

菊ちゃんは、石井さんの『東京の空の下~』は読まれたことありますか?
(自分は未読です^^)

ないッス~。手に入るのかなぁ?
あぁ、オムレツ食べたい~、っていうか、私オムライスが大好きなのぉ。
ひと月に一回はBOCCAにオムライス食べに行きま~す。
ムラカミはハルキのほうですよね?もしかして龍?
昔、友達と『てのくちの森』(上・下)というナゾのコピー冊子を作ったことがあります。
もちろん赤と緑のカバー付です。(^_^;) コピーなのにん。
中身はまったくノルウェイと関係がないのですが‥。

以前、誰か菊ちゃんの友達も書いていたけど、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」は俺もお勧めだなー。
あとね、クレスト・ブックスの「イラクサ」も菊ちゃんにはお勧めだよ。
土曜日の朝はなぜかお兄ちゃんも一緒にカフェでモーニングしてから解散だったよー。
もちろん、お兄ちゃんが自宅まで送ってくれたけどね。

もとちゃん、お仕事お疲れサマです。(*^_^*)
私ねぇ、今度のお給料日にでも、「イラクサ」買おうと思っていたのぉ。
そうか、もとちゃんもカズオ・イシグロ、オススメなのかぁ。
こっちも読んでみま~す。(^^ゞ
お兄ちゃん素敵よね。逢いたいなぁ~。

「Many Books!」いい言葉ですねー。私も読書、結構すきです。でも、実は好きだけどそんなに読んでないような気がします。学生時代の唯一の後悔がもっと本を読めばよかったってことでした。でも今からでも充分間に合う…はず。菊ちゃんのおすすめ、今度読んでみようと思います。 ところで、甲殻類アレルギーだったんですね。

comaさん、きょうは本当にゴメンなさい。m(__)m
小さいのは平気なんですが、大きいのは海老・蟹・貝とかなりの確立でアタルのです‥。
一度、一晩ですがそれで入院したこともあるので少し怖いんです。
次回は是非!いっしょにスコッチも!!

またこんばんは。区の図書館を調べたら、「ひとがた流し」は予約が80人入っているので、今予約入れても早くても来年頭ぐらいです。評判の「わたしを離さないで」は、夏に予約を入れた時50人ぐらいだったので、うまくいけば年内に読めるかもしれません。わたしは図書館併用派なもので、話題の本を読むにはタイムラグが生じます。忘れた頃に感想のメールを出すかもしれません。

ハラCさん、こんばんわ。
鹿児島も朝晩が涼しくなりました。
私は図書館で読むことはあるのですが、なぜか昔から借りることが少ないのです。
読むペースが遅いからかなぁ。
年内に順番が来るといいですね。
私は買って読んでない本が何冊もあり、すでに文庫本になってしまったのさえ‥(-_-;)

なるほど…と思いながら読ませていただきました。読書の秋♪私には未だこころの一冊はないかもしれませんが、じっくり本を読んでみたくなりました。きっかけをありがとうございますっっ☆

mamuちゃん、こんばんみ~。
こころの一冊が、あっちにもこっちにもあったりするのよ~ん。(^_^;) ヘヘッ

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