あなたのいない休日は。
どうしても観たい映画があって、ちょうど福岡と熊本で上映されていた。
日帰りしか出来ないので熊本へ出かけることにした。
ちょうどもう一本観たいなぁと思っていた映画も同じ映画館で上映されているとわかったので久々の映画はしごなのだ。
ちなみの2本とも、九州で上映予定がないのは鹿児島だけ‥
‥ということで~
友人から、映画館がある通りで買い物したら入場料が少し安くなるよ、と教えてもらったので通り会に入っているパン屋でサンドウィッチと手作りかりんとうを買った。
その日は普通の日だったので、まともに払うと当日券は1800円なのだが、そのパン屋のレシートを提示するとなんと前売り料金の1300円!
パン屋に払ったのは400円なので、それ以上の割引で、しかも、もう一本観ると伝えたら、「2本目は1000円です」と云われた!
す・す・すばらしい~~~
何ヶ月も前から友人たちに「菊ちゃんがきっと好きだと思うんだよ」と聞かされてから気になって、観たくて仕方がなかった映画なの。
基礎や資質がきちんと出来上がっているということは、いくつになっても夢をかなえるための自信になる。
そして、なにかを『つくる』ということは、こんなにも豊かなココロで生活できるんだなぁと。
私も母やこの映画のマルタのように、おばあちゃんになっても針を持っていたいと思った。
縫い針、マチ針、かぎ針、そして、ヤなかんじのひとにはチクチクと~。ふふふ~
幸せな気分でロビーへ行き、美味しいコーヒーを買った。
映画館のロビーに美味しいコーヒーを飲ませてくれるところがある。
もちろん、そのコーヒーもパン屋で買ったサンドウィッチも持ち込みOKだ。
イマドキのシネコンのように持ち込み禁止とし、美味しくもないコーヒーや食べ物を高い値段で売ることもない。
こんな映画館はもう鹿児島にはないんだなぁと少しだけ寂しくなった。
少し時間があったので、ロビーで友だちにお手紙を書いた。
日帰り旅行でもバッグのなかには、カードやレターセット、そして切手の入ったケースを入れていく。
もしかすると以前も書いたかもしれないが、
絵葉書は、そこまでの空
「明日からはここにはいない」という語残して
‥という短い詩があり、とってもお気に入り。
友人から届く、旅先や出張先からのお便りが大好きだ。
そこで買い求めたハガキだったり、泊まっているホテルのレターセットだったり。
急ぐ用は何ひとつない。出したい気持ちだけのお便り。
50円や80円で届く小さな小さな、でも温かいプレゼント。
そんなワクワクする気持ちは大切にしたいなぁと思っている。
ラブリ~
そんな私に「きっとビンゴだよ」と云われた映画。
そのとおり。ビンゴ!だったのだ。
ルゥルゥのことを少し思い出した。
いい気分のまま映画館を出て、小さな路地へ入った。
以前、熊本に来たときに気になったお店があったのだが、ちょうどお休みだったので今回はどうかなぁと行ってみた。
鹿児島でも注文したら手に入るのはわかっているのだが、い~んだぁ~。
ここで買いたかったのだもの。
そのあと、雑貨屋さんでカードや布や紙モノを少し買った。
かわいいお店だワン
また来たいワン
サイフは寂しくなったが気分はホクホクになった私は 『コッツウェルズ』 へ行ってお茶をした。
買った本を眺めたり、また友人にカードを書いたりして、ホッとするひととき。
それからアーケードをてくてくと歩いて、現代美術館へ行った。
もう4時は過ぎていたのだが、8時まで開いているのでゆっくり観られるのだ。
久しぶりにアラーキーの写真をたくさん観ることが出来た。
熊本のお母さんと赤ちゃんの写真はよかったなぁ~。
わざわざ、12,000円も交通費をかけて映画を観に行くなんてもったいない、というひともいるだろう。
DVDになるまで待てばいいじゃないか、と。
しかし、『映画館』で観る楽しみ、そして悦びを知ってしまったものには、そこまでの時間や費用よりも得る何かがあるのだ。
何よりも、いつもと違った街の音を聞き、空気を吸い、自分の足で歩く楽しさは何ものにも代えがたい時間。
よく、「自分探しの~」という言葉を耳にしたり目にしたりするが、そういうのではまったくない。
いつでも自分はそこにいる、と思っている。
立っている場所が違うだけ。
きょうはたまたまここにいるのだ。
帰りの列車の時間まで1時間くらいあったので、お気に入りのカフェに行ってみた。
確か夜7時からがBARタイムだったので、まだコーヒーが飲めるはずと思い、入ってみると、この日は早めのBARタイムになっていたのだ。
コーヒー飲めないのかぁ‥‥じゃあ、お酒を一杯飲んで帰ろう~っと
バーテンダーのお兄さんがとっても気さくで優しいかたで、楽しくお喋りをした。
いい気持ちのまま、友だちにカードを書いた。
「気をつけて、お帰りください」
「また来ま~す」
店を出ると、夜の賑わいのなかをくぐるように歩き、市電に乗った。
『つばめ』の車内でぐっすり眠っていたのは、お酒だけのせいだけではないだろう。
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