授賞式をみてホロっとなる。
私はアカデミー賞やゴールデングローブ賞など、映画の授賞式を見るのが好きだ。
女優さんの衣装を見るのも楽しいし、一緒に来ている人を見るのも楽しい。
受賞した人のコメントも感動したり、笑ったり、ワケがわからなかったりと、いろいろあり楽しい。
主題歌賞もあるので、ビッグな歌手も出たりするのだが、それでも、ハリウッドスターたちを目の前にして、かなり緊張しているのを目の当たりにすることがある。
あのマドンナでさえ、ものすごーい緊張で歌がかなり硬かったのを覚えている。
なかでも、好きなのが『名誉賞』や『アーヴィング・タールバーグ賞』などのときだ。
プレゼンターからして「このひとが!」という場合が多く、今までの受賞者の作品が映されるとドキドキし始める。
そして、本人が登場すると、みんながスタンディング・オベーションで迎える。
先輩に対する敬意が会場を包み込んでしまう瞬間が好きだ。
受賞のコメントも、どの賞のひとたちよりも聞き入ってしまう。
映像はみていないのだが、大好きなビリー・ワイルダーがアーヴィング・タールバーグ賞を受賞したときのコメントは本で読んで、胸が熱くなり、うるる~(*_*) となった。
最近では、第70回にスタンリー・ドーネンが名誉賞を受賞したときは、とぉ~っても素敵だった。
『雨に唄えば』や『パリの恋人』などを作った監督で、壇上でタップを踊り、オスカー像を頬擦りするように “チーク・トゥ・チーク” を唄った♪
私は、なんてキュートなおじいちゃまなんだろう!とニコニコ笑顔のハッピーな気分で画面をみていた。
この年は、ちょうどアカデミー賞が70回記念で、今まで男優賞や女優賞を受けた俳優たちが勢ぞろいして、さらに楽しませてもらった。
まさしく綺羅星のごとくだった。
エリア・カザンが名誉賞を受賞したときは、いつになく会場がピーンと張り詰めていて、見ているこちらも「うぅぅ~~」となっていた。
別に私が悩まなくていいのだが、作品は素晴らしいだけに、「どうしたらいいの?!」となり、「あ、あの人もあの人も座って拍手もしない‥」とさらに複雑な心境に頼まれもしないのに勝手になった。
受賞者ではないが、最近一番嬉しかったのは、9.11の明けた年の授賞式のオープニングにウディ・アレンが登場したときだ。
自分が受賞しても決して授賞式には出てこなかったウディ・アレンが、愛するニューヨークのためになら、と登場したのだ。
そして、自分の番が終ったら、さっさと帰ってしまったらしい。素晴らしい☆
そんな私が今まで一番胸を打たれたのは、フェデリコ・フェリーニが名誉賞を受賞したときだ。
いろんな人たちへの感謝の言葉を言った最後に、妻であるジュリエッタ・マシーナに声を掛けようとするのだが、ジュリエッタ・マシーナは涙が溢れていた。
そして、フェリーニがひとこと最後に言った。
「泣くんじゃない、ジュリエッタ」
ジュリエッタじゃないのに、私もポロポロ泣いた。
確か、この年の秋頃にフェリーニは心臓麻痺かなにがで亡くなり、
まるで後を追うように、半年後にはジュリエッタ・マシーナは癌で亡くなった。
こんな羨ましい二人はなかなかいない。
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