L’amore e’cieco
すっかり、Love is blind な菊ちゃんと思われがちな私だが(そうじゃないのか?!)、
もう秋なんだし、そろそろ手作り再開しようかなぁと思っている。
夏にめっぽう弱い私は、ある意味、夏が冬眠というか夏眠というか、ジィ~ッと涼しくなるのを待っていたのだ。
フト、部屋の隅っこを見てみると紙袋がずっと置きっぱなしだ。
それは夏に作ろうかなぁと思っていたスカートの生地。
っといっても古い着物で、作る前にほどかないといけないのだ。
なので、ほっといていたのだが、見ていると作りたくなってきた。
そんなとき、楽しそうにサスペンスドラマを見ている母を発見!
「ママ上、ヒマぁぁぁ?」と聞いたら、ヒマじゃないというが、着物をほどくのは主に母の仕事(?)なので、着物を小さいハサミを渡して「プリーズ、マミィ」とお願いした。
ハサミを渡されてジッとしていられない母は、サスペンスを見ながら着物をほどき始めた。
このスカートは母が20代の頃、昭和20年代に普段着として着ていた鹿児島紬で、水害のあと洗い張りにだしてあったのでほどく必要がなく、そのまま柄合せをして作った。
もともとは黒地だったそうだが、長い年月のあいだに色あせして茶色がかった黒になっている。
柄が意外にモダンで大胆な色あわせなのでスカートにしても負けない何かがある。
柄あわせをしなかったら2枚スカートが作れたのだが、それは譲れないので残った布は取っておいてまた何かを作る。
実際見ると絹独特の光沢があって、しかも軽い!
これは京都の東寺の市(弘法さん)で買った古い道行をほどいて作った。
古いので今着ようとすると普通の体型の人でもやや小さいのだが、実はこの道行は表もさることながら、裏地がとぉっても気に入って買ったのだ。
昔の道行、羽織は裏地がステキなものが多く、特に男物はカッコイイ裏地があって、骨董市などでハギレの山から「いいなぁ~」と手にとってみると男物の羽織裏だったりする。
このスカートは黙っていたら着物地とは思えないくらいモダンな柄なので、「もとは道行なんだよぉ~」と云うとビックリされる。
そのままよりも裾に黒を持ってきたほうが締まるような気がしたので、黒のシャンタンをつなげた。
「きょうはパーティ?」と云われそうなスカートなのだが、結構普通に着ている。
見た目よりも軽くて、しかも暖かいのだ。
秋冬には着物地(絹)はとっても向いているような気がする。
紬のも道行のも、小さい穴やキズがあるのだが、そういうところはウエストのほうへもってきて目立たないようにしている。
あと裏打ちしているところもある。
縫う前には洗濯機の手洗いコースでジャブジャブ洗って、ある程度縮ませてしまう。
っといっても、そんなには縮まないのだが、あとあとも洗濯機の手洗いコースで洗うためには必要不可欠なのだ。
そうじゃないと、いちいちクリーニングに出さないといけなくなってしまう。
んな、もったいないことはしないのじゃ~。
昨日、久しぶりに美術館に遊びに行き、帰りに裏通りをブラブラ散歩した。
こじんまりとしたお店が並んでいる。
昔の博物館の写真を撮ろうと敷地へ入ると犬を放し飼いで散歩させている人がいた。
写真を撮っていると、土佐犬とブルドッグを足して二で割ったような苦みばしった顔の犬(種類がわからん)が寄ってくるのだ。
可愛くないけど、飼い主にとっては可愛いんだろうなぁと思いつつ、イヌに向かって「変な顔~」と呟いていたら、飼い主らしき女性が「そのケーキが気になっているんですねぇ~」と云ってきた。
変な顔のイヌもMOKUのケーキは気になるらしい。
もちろんあげないけど。
イヌは私が歩いていっても、まるで後ろ髪引かれるように私を見つめていた。
いや、MOKUのケーキの箱をか。
ブラブラのんびりの散歩は、いい気分転換になったのかもしれない。
母は今度はチャングムを見ながら着物をほどいている。
明日はジャブジャブ洗ってアイロンをかけよう!
*追記*
晴れたのでジャブジャブ洗い、一時間くらいかけてアイロンもかけた!
なんだか少し麻が入っているような気がした。
夏向きかなぁ‥。でも冬もリネンっていいよね、きっと。
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