舞い降りてくる。
だいぶ前のことだが、或るとき、フト天使のくまを作ってみようと思った。
背中にはオーガンジーで羽をつけた。
最初から座った状態になるように作った。
なぜなら、『ベルリン・天使の詩』のように、いろんなひとの肩に座らせたかったから。
カエルの帽子をかぶって写真を撮らせて、と頼むと男のひとは結構イヤがるのだが、
天使のくまさんを肩に乗っけて写真を撮らせて、と頼むと案外OKなのだ。
しかも、みなさんいい顔なのだ。嬉しいらしい。
なぜだ?カエルの帽子をかぶると髪の毛のシークレットな部分がバレるのか?!
きっと、ヴェンダースも喜んで肩に乗っけさせてくれるだろう。
映画にも登場させたい、と云われたらどうしよう~、といらん妄想も少しだけした。
友達が結婚することになった、と聞いたときに、「彼女はくまさんが大好きだったから、お祝いに天使のくまさんを作ってみよう!」と思い、それを入れるちょっとだけサプライズなボックスも作った。
箱のフタになる部分を持ち上げると、中箱が十文字に開き、ハートがいっぱい溢れ出すようにしてみた。
くまさんの鼻もハートのビーズなのだ。
結婚披露宴の受付に置いてあったのだが、なぜだかハートを持って帰ろうとするひとが何人もいるのだ。
仲良しのⅠちゃんが結婚する、と聞いたときには、これ以上カワイイものは作れません、というくらいラブリーなくまさんを作ろうと思った。
時間がかかった分、手放すのがイヤになるくらいラブリーなくまさんが出来たような気がした。
スカートも思い切って全円でパールビーズをチクチクとたくさん縫いとめた。
眼はブルーのガラスでできたものを、お鼻にはお花の絵がついたビーズをつけた。
ハートの数はⅠちゃんの年の数だけ作った。
くまさんの手に持っているハートはこれからカレと作っていくハート。
受付でやはりハートを持っていこうとするひとが何人もいた。
シアワセのおすそわけは、当人たちの笑顔から貰ってね。
最近は、結婚しそうなひとは、ほとんどしちゃったので、天使のくまさんやあみぐるみを作る機会がない。
頼まれて作るのではなく、「○○ちゃんのために作ってあげたい」から作る天使のくまさんは、もう作らないのかもしれない。
でも、私のなかにまた何かが舞い降りて来たときには、そのときの私が出来る限りのカワイイくまさんを作ろうと思う。
それまでは、しばらく休憩なの。
でも、肩には乗っかりにくるから、笑顔で写真を撮らせてネ。
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